そう遠くない介護 ~現役ケアマネの自分の介護にのぞむあれこれ~

高齢化する両親、そう遠くない介護の予感。現役ケアマネとして、今まで担当していてしておけばよかった、と思うこと、今からできること、実践の様子、介護について。

認知症

行き過ぎても疲れ、いかなさ過ぎても効果なし?通所サービス

デイサービスの利用回数どうやって決めるか? 通所サービスは、特に利用に上限があるわけではありません。 今まで、週7日、つまり毎日利用し続けた方もおられました。 介護保険の限度額を気にしなければ、 毎日利用することもできることはできます。 でも、…

認知症は突然なるわけでないこともある 一日の中でも変化する

認知症とは状態であるからこそ 認知症、と診断を受けた日から、 急にあなたは認知症である、 何もできない、と決められることが多いように思いますが、 長谷川信夫先生がおっしゃっているように 一日の中でも朝方は体力が充実していて 以前と変わらない判断…

なぜティッシュペーパーやトイレットペーパーを集められるのか?

認知症の方で割と多くあること 収集されること 今まで関わらせていただいた認知症の方で、 家族様が 「こんなことするの、うちだけでしょう?」 と言われる行動の一つに、 紙類の収集 があります。 皆さんが集められるわけではなく、 また紙なので、施設やデ…

得意な時計の見方があるのだということ

アナログ派、デジタル派は年代で変わるのでないのだ 私は、時計はアナログ派だ、と 久しぶりにかけたアナログ時計で気づきました。 私の年代は、みなそうなのか、と思っていたら、 同年代でも、デジタル時計でないと じかんがはっきりわからない、というこえ…

地域密着という在宅サービスのくくり ぱっと見ではわからない

デイサービスでも種類がある 地域密着とは 平成18年から、通所介護は通所介護 市町村関係なしに利用できる 地域密着型通所介護 その市町に住む人が利用できる という種類ができました。 通所介護は、市町村またいで利用できる、定員の多い通所です。 一方、…

疾患を自分で探し当てる方 疾患が腑に落ちることは大事なこと

まだレビー小体型認知症が無名だったころの話 世の中には、本当に数えきれないほどの疾患があって、 いったん診断名がついても、 本人、家族は、 「なんだか違う…ほんとにこの病気なんだろうか?」 と、疑問を持たれる方がおられます。 むかーしむかし、 ま…

介護できないための入院 レスパイト

家族の休息のための泊りの方法 介護が必要な方が、自宅外で泊まる方法は、幾通りかあります。 一番ポピュラーなのが、 特別養護老人ホームや、老人保健施設でのショートステイ。 数か月前から予約して、泊まるものですが、空きがあれば、 割とすぐに利用でき…

アルツハイマー型認知症の治療薬 アメリカで承認されて

以前は開発されればノーベル賞、と言われた薬 アメリカで、初めてアルツハイマー型認知症の治療薬、として ADUHELM アデュマヌカブが認められたというニュースが少し前にありました。 これからの認知症に、明るい兆しが見えてくる、 そんなニュースでした。 …

認知症での困った行動 家族の気持ちは

皆さんがされるわけではない、けれど認知症で起こる困った行動 月曜の朝は、いつもにもまして 突然の報告が舞い込んでくるときです。 土日に起こった出来事の報告や、相談が 寄せられてきます。 認知症でご家族にとって困った行動は、 以前は問題行動、と呼…

手続き記憶あれこれ

手続き記憶が体を動かす グループホーム(認知症対応型)ではたらいていたときのこと。 スーパーに、みなさんでかいものにいきました。 車いすで、かなり認知症が進んで、 会話もままならないAさんと、スーパーのレジに並びました。 すると、Aさん、普段は本…

認知症 食べてない!と食べたことを忘れてしまわれるときの対処法

本人にとって食べていないことは事実 本人にとって食べていないことは事実 1.そもそも食べたことを覚えていられない 2.具体的対処法 3.疾患がある場合 1.そもそも食べたことを覚えていられない アルツハイマー型認知症の方は、記銘、という そもそも…

一日中、徘徊に付き添っていたころ 本人の意思だけれど。

毎日毎日徘徊するかたについて歩いていたころ 毎日毎日徘徊するかたについて歩いていたころ 1.ある日突然始まった徘徊 2.信号も無視、止めたら怒られる 3.その時はまだ無名だった周回、という徘徊 4.きっかけはスタッフの入れかえ? 5.判断できな…

認知症の方に「大丈夫」と声かけする ほしいのは安心

認知症 目を見て大丈夫ということ ほしいのは安心 以前、病院で、廊下をゆっくり歩いてくる高齢女性と出会いました。 「私はどこに行ったらいいの?」 ・・・せかせか動いていたモードを、すぐにチェンジ。 「こんにちわ」 「こんにちわ」 「家に帰りたいの…

難聴は認知症のきっかけ?聞こえにくさがもたらす弊害

返事が的外れなのは、聞こえにくさのためだけではないかもしれない 返事が的外れなのは、聞こえにくさのためだけではないかもしれない 1.高齢になるとだんだん聞こえにくくなる 2.テレビのボリュームが上がる、電話でなかなか通じない 3.聞こえにくさ…

運転免許 返納するかしないか それが問題だ

運転免許証は思っているより手放せないもの 運転免許証は思っているより手放せないもの 1.父の運転免許証の更新時期がやってきた 2.検査はあっても実地とは違うもの 3.本人、家族が思うよりもずっと危険は大きい 4.それでも生きていくのに必要 自動…

家電がかわると家事ができなくなる?手順が分からなくなるかも

家電の変更、自宅改修をするなら今のうち 家電の変更、自宅改修をするなら今のうち 1,細かな変化に対応できない高齢者 2.家電交換や自宅の改修が引き起こす悲劇 3.危なっかしそうに見えても少しの変化に抑えたほうが良い場合 4.安全な家電、自宅改修…

認知症?と思ったら家族がすべきこと3選

物忘れか、はたまた認知症か? 家族が悩んだ時に取っておく行動、ケアマネ15年の経験から。 ①おかしいな?と思った日時、事柄を書き留めておく 認知症でいざ病院にかかる時には、いつから、どんな症状が出たのかを聞かれます。 後から思い出すと、記憶って曖…

スマホを使いこなす方

スマホ、をデイにもっていく ITを駆使する利用者様が増えてきました。 デイサービスの最中にも、メールを打ったり、電話がかかってきたり。 中には連絡先を交換して、相手の家に野菜を届けるという事例も昔は発生していました。 おうちが商売をしていて、そ…

薬が変わった時 変化があればすぐ相談

思わぬ影響があるお薬 高齢になると、たくさんの薬が増えていきます。 血圧が高い、 コレステロール値が高い、 認知症と診断された、 など、病気が見つかるたびに、先生としては 治すため、悪化させないため、お薬を出してくださいます。 長年それが積み重な…

暴力行為がある時 認知症で?

自傷他害という言葉 認知症対応型のサービスの契約者では、 自傷他害 という言葉が出てくることがあります。 その言葉通り、自分を傷つけたり、 人を傷つけてしまう、ということです。 認知症の症状の中でも、いろんな症状があります。 中核症状の、 忘れて…

認知症の方の過ごす場所

時間、場所、人、の順に失われるという見当識 アルツハイマー型認知症の方は、短期記憶障害が主かと思われますが、見当識障害、というものもあります。 それは、今がいつの季節かわからない今日が何日かわからない今が朝か夜かわからない という時間がわから…

家族会 いろんな出会いがある

家族会に参加すること 認知症や、難病や、がんや、さまざまな家族会、患者さんを看護、介護されている家族が、同じ疾病を持った方の家族と交流する場を持たれる家族会。 ケアマネジャーをしていて、思うのは、私は当事者ではなく、その方の思いを心から共感…

経験自体は忘れても、感情は残る

感情は残る、ということ 昨日、 50回目のファーストキス という映画を見ました。 交通事故の後遺症で、事故後の記憶が1日しか保てない、という方をめぐっての、ハワイを舞台とした映画です。 これからみられるであろう方もおられると思うので内容は伏せま…

母さんが雨傘もって・・・

介護保険に長年携わってきた中で、親しい人から相談を受けることが多くなってきました。身内の立場に立ったセカンドオピニオン的に、いろんな介護についてお伝えしたいと思います。