そう遠くない介護 ~現役ケアマネの自分の介護にのぞむあれこれ~

高齢化する両親、そう遠くない介護の予感。現役ケアマネとして、今まで担当していてしておけばよかった、と思うこと、今からできること、実践の様子、介護について。

家電がかわると家事ができなくなる?手順が分からなくなるかも

家電の変更、自宅改修をするなら今のうち

 

   今の家、足腰が悪くなったら大変だな…

   段差は多いし、トイレまでは遠いし、

   お風呂は深いし、そのうち直さないといけないな・・

 

そんな風にずっと思っている家族にお伝えします。

1,細かな変化に対応できない高齢者

 毎日のトイレ、お風呂、ほかに家で行うことについて、

 手順をいちいち考えてしている人はいないと思います。

 

 習慣で、体が勝手に、まあ目をつむっても大体の環境が分かる、

 くらいではないでしょうか。

 

長年同じ家に住んできた方は、もちろんそんな風に、

「ここにはこの段差がある」

「ここには支えになるつくえやタンスがある」

 

と、考えずとも体が勝手に動き、なんとなくうまく動けているのです。

高齢になると、それがたとえ小さい変化であったとしても、

長年の習慣がバージョンアップしづらくなります。

 

2.家電交換や自宅の改修が引き起こす悲劇

 

それが、

「不安定」

「歩くのにじゃまでは」

と、すこーしかえると、高齢者は、

記憶にあるはずの環境で動こうとされて、かえって危険なことがあります。

 

段差があるはずなのにない!

あるはずのいすがない!

 

などなど。

 

また、洗濯機や電子レンジを新しいものに、火が心配で、

ガスコンロをIHに、と変えたら、

それまでできていた家事が全くできなくなった、道具が使えない、

といったことも頻繁にあります。

 

こんなことなら元の戻そうか、と言っても

もう捨ててしまっていて元に戻せなかったり…

 

IADLという日常生活での動作ができなくなることの一因でもあったりします。

 

3.危なっかしそうに見えても少しの変化に抑えたほうが良い場合

脳梗塞など、身体的に動くのが難しくなった場合は、

手すりを付けたり、段差を解消したりすることは必要。

 

でも、認知症が進んできて、体は比較的動くことができる場合は、

簡単に家電や環境を変えないほうが良いこともあります。

 

というか、手遅れとなることも。

 

変化を起こすなら、認知症が始まる前に、まだ新しいことを覚えたり

することができる間が良いです。

 

変えてみないとできるかできないかの見極めは難しいのですが、

認知症、と診断がついていればかなりむずかしくなるかもしれません。

 

4.安全な家電、自宅改修が必要なら一刻も早く

もし、今の親の自宅が、段差があったり、火の元がガスで心配、というのであれば、

一刻も早く変えることをお勧めします。

 

段差があったりして、毎日のリハビリになる、ともいえるのですが、

もしずっと今の自宅に住み続けていこうと思うなら、

また改修するつもりがあるなら、悩みなく、

早くに行うことです。

 

どんな老後を送るかなんて、だれにもわからないので、

体もシャンシャン、認知機能も問題なく過ごせることももちろんあり、

しなくてもよかった、かもしれません。

 

ですが、逆の場合、のことを思うと、

しておいても悪いことはない、と思います。

 

ちなみに、手すりの取り付け、段差解消は要介護(要支援)と認定されれば

介護保険で対象とはなります。

 

が、転倒して大腿骨骨折などのことが、介護が必要になる原因

として根強くあるので、

事前に手すりを付けて予防することも大事です。

 

・・・浴室のタオル掛け、手すり代わりになってガタガタしていないでしょうか?