そう遠くない介護 ~現役ケアマネの自分の介護にのぞむあれこれ~

高齢化する両親、そう遠くない介護の予感。現役ケアマネとして、今まで担当していてしておけばよかった、と思うこと、今からできること、実践の様子、介護について。

高齢で一人暮らしは、寂しく、不幸せなモノだろうか?

独居、とくくられる一人暮らしの高齢

政府の統計で、必ず出てくる独居世帯割合。
どんどん増えています。
独居、高齢者のみ世帯、老々介護。

ケアマネジャー同志の会話の中で、よく出てくる

「独居」

というもの。おひとり暮らしの方のことです。
介護サービスを使うにあたって、この独居かどうか、
というのは、大きな意味を持ちます。

まず、訪問介護、ヘルパーの生活援助
(掃除、洗濯、食事つくり、買い物など)
が市町の許可なしに使えます。(当たり前ですね)
特養の入所要件でも、点数が高くなります。


配食サービスなどの制度でも、優遇されることがあります。
一人暮らしは、家族と住んでいる方に比べて、
すべて自分でせねばならないので、
支援しましょう、ということです。

高齢自殺者の統計は意外にも

世間(?)のイメージでも、一人暮らしは、
さみしく、不安で、頼る人がいない、というものでしょうか?


ですが、政府統計では、高齢者自殺の割合は、
独居のかたではなく、
同居されている家族がおられるほうが
高いというもの。


一人暮らしは、そのありようが、さまざまです。

自分の意志だけでは何事も決まらない同居、
ということもある

私がかかわる中で、自殺された方は、
ほぼおられないので、(ほぼ)
そこまで追いつめられる状況は想像しえないところもありますが、
同居家族がおられると、
その方自身の要望だけでは物事が進まない、
ということは確かにあります。


介護サービス使われてもいいのにな、と思われても
いろんな気持ちがあって使われなかったり、


またここまでサービス使うと本人の体調みても
きついだろうな、と思っても、家族の負担が重すぎて、
利用せざるをえなかったり。

 

家族も、その人の生活の一番大きな環境なので、
家族の希望をお聞きすることは、その人個人の希望を
無視することにはならないと思うのですが。

高齢で一人暮らし=不幸せ、では決してない、けれど

私の関わってきたおひとり暮らしの方は、前向きに、
もちろんすべての決定を自分でしないといけないので、
過ごしておられると思います。


自分で選んで、一人暮らしをされている
(子供の希望を蹴って)かたもいらっしゃいます。

ただ、気にかかるのは、介護保険未満、未利用の方。


介護サービスが始まり、デイサービスに行くと、
途端に生き生きされ、着るものにも気を使われ、
驚くぐらい目が輝く、ということがある中で、
介護サービスを使うまでに至らない、
ケアマネジャーが来るでもなく、地域の高齢の方の集まりには敷居が高く、
という生活をしてこられた方が、本当に多いのです。


今の介護予防で、それを支援しようとされていますが、
実感としてなかなか進んでいないように思います。
介護保険を使えば、すべての方がそうなれる、
というわけではないけれど。 

 

偶然、お買い物中の独居で暮らしている方に遭遇して、
あふれんばかりの笑顔を見、ふと、
独居について、考えさせられました。